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SEED OF LIFE: Mobile House Project / 生命の実:藻バイルハウス計画 (2020)

Seed of Life

【Limited Online Exhibition】
GIG: Visual image video (4'00" loop) 2020 / Video work: Kenji Yanobe and Hirokazu Ohno

【Limited Online Exhibition】
GIG: Level_2.22_ (2'47" 360 degree video) 2020 / Video work: Hirokazu Ohno

Mobile House Project | 《藻バイルハウス計画》

Seed of Life
Seed of Life

《藻バイルハウス》は、「藻類」を培養し、自給生活が可能なエネルギーと食糧を得るための装置を持つ移動可能な家である。「藻類」は、水中にいる体長1ミリにも満たない生物であるが、光合成を行い、食物連鎖における一次生産者として生態系を支えている。「藻類」の起源は 35億年前にさかのぼり、植物、動物へと進化していった。つまり、生命の起源でもある。また、「藻 類」は太陽光と二酸化炭素から石油を作り出す化石燃料の基になっている。

《藻バイルハウス》は、バックミンスター・フラーの考案した半球体のジオデシック・ドーム (フラー・ドーム)を使用しており、組み立て、移動可能な家である。フラーが地球のことを「宇宙船地球号」と命名したように、地球自体が閉鎖系の生命体を運ぶ家ともいえる。その資源は再生産しない限り有限であり、消費できる限界がある。また、生態系のバランスを欠くと後戻りできない。

Seed of Life

《藻バイルハウス》は、気候変動によって生態系にとって地球環境が悪化していくなか、自給自足ができ、災害が起きても移動可能な形をとることで、サバイバルをしながら地球への負荷をできるだけ防ぐ家を目指している。言わば小さな「宇宙船地球号」である。

具体的には、フラー・ドームのパネルに、バイオフィルムを貼り付け、藻類を培養する。食料になる「藻類」の種を、ドーム内に保存しておき、目的に応じていくつもの種類の培養ができるようにしておく。それらは同時に、バイオマス燃料にして、照明や空調機などを稼働させ、ドーム内を 「快適に保てるようにする。

Seed of Life

《藻バイルハウス》は、災害時の避難装置として機能するだけではなく、将来的にはドームを 一つのモジュールとし、街や都市にまで発展できるように計画する《藻バイルハウス》によるさまざまな試みは、宇宙開発のための自給自足モデルや、二酸化炭素の増加による地球環境の「悪化を改善し、生き延びるための「種」「ひな型」となるだろう。

Seed of Life

《藻バイルハウス》は、鎌倉時代初期に鴨長明が、京都市の郊外、日野山(京都市伏見区日野町)に建てた最小限の移動型住居「方丈庵」を想起させる。鴨長明は、一丈四方(約3メートル四方)、高さ七尺(約2メートル)にも満たない庵に暮らしながら、三大随筆の一つ『方丈記』 を描いた。『方丈記』には、「安元の大火」「治承の辻風」「福原遷都」「養和の飢饉」「元暦の大地震」という五大厄災が克明に記述されており、日本最初のルポルタージュとも言われている。

リーマンショック、東日本大震災、コロナ禍、猛暑、巨大台風と厄災が続き、鴨長明が生きた時 代に通じる乱世を生きる私たちであるが、サバイバルをしながらも未来を生きるための希望がみえる家としたい。

Seed of Life
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Seed of Life

Notes:
Text: 《藻バイルハウス計画》(2020) 解説全文
Exhibition:「KYOTO STEAM 2020 国際アートコンペティション スタートアップ展」
     (会場:京都市京セラ美術館 新館 東山キューブ)

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